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コラム 人と経営

世界経済は本当に回復

1.回復しないドイツ経済

ドイツ経済が回復しない。自動車大手フォルクワーゲンが国内3工場の閉鎖と数千人程度の雇用削減を計画。ドイツ自動車工業会が10月末、EV移行などの影響で2035年までに14万人が失職の可能性を示唆。

ドイツ経済が良くならない中で、欧州の国々の景気は緩やかに回復する見通しだ。ユーロ圏の7-9月期の実質GDPは前期比0.4%と4-6月期から増加景気は拡大。スペイン、フランスが堅調、英国も景気を持ち直している。

GDP世界2位の中国、10月に発表された7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比で4.6%増、4-6月期より減速。中国経済の成長は確実に鈍化。国内消費が不調による内需の不振、不動産開発の大幅減、企業の景況感も悪化。

2.米国のインフレ

米国の大統領選挙でトランプ前大統領が圧勝した。選挙中に激戦州の住民インタビューで「インフレの影響で生活が苦しくなった」。経済の低迷を理由にあげていた。有権者の多くが米国経済が悪いと。

しかし、米国経済は今年(2024年)世界経済が落ち込む中、経済成長率が3%近くまで回復。先進国の中で唯一、堅調な経済を維持。米国のインフレ率は2023年4.1%から2024年2.9%と低下している。

FRB(米連邦準備制度理事会)は、11月7日の連邦公開市場委員会で利下げを発表、インフレを抑制して経済も維持する。

3.日本の物価高

世界のインフレ率(消費者物価指数の上昇率)は、2024年6%を切るだろう。2022年と比べると大きく低下したが、日本のインフレ率は2%台と先進国の中では落ち着いている。

マクロ指標のインフレ率は低いが、この秋値上げが続く。消費財では、食品、飲料、日用品、外食、電気・ガス、家賃他。企業でも生産財の原材料、資材高が拡がっている。

消費者物価指数は、2021年9月以降、2024年9月まで37カ月連続で上昇。国際的な原材料価格の上昇やロシアのウクライナ侵攻後円安による輸入価格上昇などを背景とする物価高が続いた。

石破総理は「経済対策では当面の対応として足元で物価高に苦しむ方々をきめ細かく支援していく」と述べている。
(Written by 川下行三 24/11/10)
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