変化に強い企業 No.1
1.中小企業は生き残れるのか
某中小企業の3代目、10年前に会社を長男に事業承継。会長職に数年残り相談役へ。しかし、会社へは週3日出勤を続けるが、たいした仕事は無い。そして、出勤が週1日になると、やることが無いとぼやく。
先代が病死して社長を継ぐ、または創業者が潔く次代の経営者にバトンタッチする。そういった会社の方が変化に強い。
大きな変化が訪れている。グローバル化が進み経済の不安定化は増している。そういった中で、変化に強い企業が残る。同族経営の中小企業、生き残っていけるのか。
2.コア・コンピタンスと二兎を追う
会社のコア・コンピタンス(中核となる強み)を磨き、発展させる。コア・コンピタンスは早急に作れるものではない。数十年かけてグローバル競争に不可欠な強みを築いて行く。
しかし、この大変化の次代、特に歴史のある企業にとっては、コアになる事業を継続しながら、新規事業や新製品開発を行い成長を追求する。二兎を追うことで二兎を得る。
世界市場のニッチ分野で勝ち抜いているグローバルニッチ企業は、市場での差別化を行い高い実績を上げている。
3.ダイナミック・ケイパビリティ
ダイナミック・ケイパビリティとは、カリフォルニア大学バークレー校のデイヴィッド・J・ティース教授によって提唱された。環境が大きく変化する中で、その変化に対応して自己変革する能力のことだ。
自社が変化の激しい経営環境や状況に対応できなくなったか、常に観察し、いち早く認識する。対応できなくなったと判断したならば、対応できるように会社を変革し、スピーディーに再構築する。
欧州の製造業で、世界に顧客を持つ中小企業のM社。製品そのものの独自性で確固たるコア・コンピタンスを確立。製造業の枠を越え、製品に付加するトレーニングやサービスを展開し成長している。
(Written by 川下行三 22/10/29)