仕事探しが変わる
1.改正職業安定法の改正
改正された職業安定法が2022年10月1日より施行された。労働者の募集、就業指導、職業紹介、労働者供給などについて規定された法律が職業安定法で、いわゆる職安法と呼ばれている。
仕事を探す時に、様々なサービスや求職者が不利にならないように公正な情報を適切に提供するように2018年に一部改正された。求人募集時に労働条件の明示事項の拡充や残業代の明示、雇用主の氏名の明示他。
今回の改正では、事業者が労働者の募集を行う際のルールが変わる。求人メディアの届出制、求人等に関する情報の的確な表示、個人情報の取扱いに関するルールの新設、苦情に対する適切・迅速な対応の義務化。
2.益々厳しくなる求人
この事により、従来の求人メディア・求人情報誌だけでなく、ネット上の公開情報から収集した求人情報・求職者情報を提供するサービスを行う事業者も職安法の募集情報等提供事業者となる。
自社のホームページに掲載した求人情報も的確な表示が必要になり、求人が終了または変更の場合も早急に更新することが求められる。今までより求職者は安心して仲介サービスを利用できるようになるだろう。
実際には、ハローワーク等を経由しない求人情報は、特にネット系での求人サービスには労働条件の詳細な明示が無く、有っても採用後に明示された条件とは違う働き方をさせている悪質なケースもある。
3.多様な働き方が進む
最近、見慣れない働き方をする若者が増えている。飲食店の出前で自転車で届けてくれる、インターネットでデザインを描いてくれる、これはギグワーカーと呼ばれる働き方で依頼者とは雇用契約が無い。
ギグワーク(gigwork)の、ギグ(gig)はミュージシャンがその場で一度限りの演奏をすることの意味で、それから派生し、会社や団体に所属ぜずに一度限りの仕事という意味で使われている。
ギグワーカーには最低賃金の保障も無い業務委託や請負型が中心だが、国内では約200万人~700万人(正確な調査が無い)と言われている。米国では約5,000万人を越えており、最低賃金保障の動きが出てきた。
(Written by 川下行三 22/10/14)