働き方改革 その後
1.同一労働同一賃金はいかに
2020年4月 働き方改革関連法の一部としてパートタイム・有期雇用労働法(同一労働同一賃金)が施行。そして2年。働き方改革の目玉として実施されたが施行前と何ら変わらない。
正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消を目指し、どんな雇用形態を選択しても納得が得られ多様な働き方を自由に選択できるようにするのが目的であった。
パートタイムや契約社員(非正規雇用労働者)の賃金や処遇が改善されたのか。職務内容が正社員と違い合理的な理由が有ることで、規定改定せずに今までのままを適用している。
2.企業での実態
パートタイム・有期雇用労働法には罰則規定が無いので放置している企業が多い。待遇差に合理的な説明が出来ない。様々な抜け道により同一労働同一賃金が殆ど行われていない。
有期雇用労働者が同一会社で5年働いたことで無期雇用労働者への申込みにより転換が出来る。平成25年より施行された「改正労働契約法」による無期転換ルール。
この法律でパートタイム労働者などの有期雇用労働者が無期雇用労働者、即ち正社員になれる。ところがパートタイム・有期雇用労働法は正社員が対象から外れる。
3.先進している欧州の同一労働同一賃金
EU(欧州連合)にEU指令が有り、EU加盟国は国内法や国内規定を制定又は改正する必要がある。1997年12月 パートタイム労働に関するEU指令が決定され、成立。
均等待遇原則により賃金を含む雇用条件に関しパートタイム労働者は不利益な扱いを受けない。1時間あたり同じ賃金を支払うこととなっている。
欧米では基本的に職務給が中心で職務が同じで有れば時間辺りの賃金はフルタイムでもパートタイムも同一賃金が原則になる。労働者は自由に雇用形態を選択し待遇差なく働くことが出来る。
(Written by 川下行三 22/09/12)