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コラム 人と経営

大阪浮上は万博やIRに頼るしかないのか

1.イタリア、ドバイ、大阪

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれていたドバイ万博は3月31日に閉幕。コロナで1年延期をし制約のある中での開催だったが、来場者は目標の2500万人には届かなかったものの2300万人と成功裡に幕を閉じた。

「心をつなぎ、未来をつくる」Connecting Minds, Creating the Futureドバイ博のテーマだ。世界全体が協力することでよりよい未来ができる、史上最多の192カ国が参加し、史上初の各国が独立したパビリオンを持つ。

その6年前、2015年にイタリアで開催されたミラノ万博は食をテーマにした初の万博として145カ国が出展。来場者数は2150万人であった。正式なテーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを」。

2.開催まで3年、前途多難の大阪・関西万博

2025年に大阪夢洲(ゆめしま)で開催予定の大阪・関西万博。参加を表明している国は現状120カ国だが、目標は150カ国。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」(Designing Future Society for Our Lives)。

サブテーマは、Saving Lives(いのちを救う)、Empowering Lives(いのちに力を与える)、Connecting Lives(いのちをつなぐ)。約2,820万人の来場予想、経済波及効果を2兆円で試算している。

万博会場の建設費は当初1250億円。国、経済界、大阪府と大阪市の3者で等分することとなったが、建設費は総額1850億円と膨らんでいる。中核となる「テーマ館」の費用は、各プロデューサーが企業などから資金を募る。

3.IRと万博

大阪府と大阪市が万博後に夢洲の一部にIR(カジノを含む統合型リゾート)を計画しているが、広大な万博跡地全体の利用計画は未定。外国人は無料なのに日本人は入場料が有料で6000円となる。

大阪府は、IRにより約2200万人の集客と経済波及効果は約19,600億円を想定。そのカジノにオリックスグループとMGM(米国)のコンソーシアムが運営に手を挙げている(国際会議場、宿泊、カジノ他施設)。

カジノの手本になっているマカオはコロナの影響も有るが、観光客はピーク時の5分の1になっている。万博やカジノが大阪の経済を大きく飛躍させるものになるか甚だ疑問だ。

関空近郊の企業誘致や大阪湾岸開発で大阪府や大阪市が大きな負債を残したことを万博やIRで繰り返されることを懸念する。
(Written by 川下行三 22/06/26)
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