働きがいはどこに
1.家族経営は生きている
中堅・中小企業は面白い。制度やルールもあるが、それを超えて運用を行っている。社長は社員の顔と年令、年収そして家族構成まで把握している。
ある会社は、65歳定年制はあるが運用で80歳でも勤務している人がいる。65歳以上の社員も数人働いている。もちろん、定年制を廃止した企業も存在する。
人事制度も社員毎につくる、と言う企業もある。社員に求めに応じて働きやすい環境をつくると新しい制度が出来ている。1分ごとに残業をカウントしたり、30分ごとに年休を取れたり。
2.変化している大企業
大企業は揺れている。日本国内では人口減少等を考えると成長が維持出来ない。グローバルな市場で戦うには海外での生産や販売。そしてグローバル企業との競争に打ち勝つには規模の拡大を求めて買収を繰り返す。
大阪に本社を構える某企業は、リーマンショック以降も右肩上がりで成長を続け、売上の8割は海外市場。日本で商品をつくり世界へ売って行くよりも、現地ニーズにあった製品を現地でつくる方向に変化している。
ソニーの稼ぎ頭は今や家電ではなく半導体。その半導体はカメラやスマートフォンに搭載されている画像センサーのCMOS、世界シェアは半分。
本社は熊本に有り、九州に生産拠点を構え地元企業として根付いている。
3.強い地元企業
鎌倉に本社を構える上場企業のK社。2014年に上場し、「誰かの人生を面白くする」を理念に掲げる従業員300人の会社。鎌倉出身でもない創業者3人の住みたい街に本社を構えたのもユニーク。
この会社は評価制度が面白い。サイコロ給で毎月の給料を決める。基本給にサイコロの目をかけて出した分を加算する。あくまで加算の部分がサイコロで決める。評価を天に託す、評価をしない評価制度。
昨年の春に、この企業が「まちの社員食堂」を鎌倉にオープン。地元企業や飲食店を巻き込んで実現。地元で働く人が朝食をとったりランチをしたり、交流が出来る。社員食堂を面白くするのがコンセプト。
地域に根付いた資本主義を標榜しているそんな企業が面白い。
(Written by 川下行三 19/09/13)