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コラム 人と経営

平成の時代は何を生んだのか

1.狂乱が続く平成元年の日本

平成元年1月8日、昭和天皇が1月7日崩御した翌日の日経平均終値は3万円を超えていた。その年の年末12月29日、東京証券取引所の大納会で株価は史上最高値の3万8915円を記録した。

日本はバブル景気の絶頂期。株価に限らず地価の上昇、企業業績や社員の給与もうなぎ登りが続いた。
アメリカの土地や企業を買いあさる日本の大企業。足下を見ない拡大拡張が常識になっていった。

平成元年4月には消費税3%の徴収がはじまり、竹下内閣は6月に総辞職。
雲行きが怪しくなるが、消費も企業の見通しも楽観的だった。

2.世界の大転換がはじまる

平成元年6月、中国では民主化を求める学生達を武力で鎮圧した天安門事件が勃発。ときの中国の最高権力者の鄧小平は世界から批判を受けた。改革開放路線を掲げ、中国の発展をリードしたしたのも鄧小平であった。

同年11月、ドイツではベルリンの壁が崩壊し東西ドイツが統一。翌月、ブッシュ大統領とゴルバチョフ議長が会談。第二次大戦後に対立がはじまった東西冷戦が終結。

この年を契機に世界の秩序が大きく変換。ソ連は2年後にゴルバチョフにより解体され崩壊。東側にいた多くの国がソ連から離れて行った。覇権国アメリカ一強の時代がスタートする。

3.長いトンネルを抜ける

平成2年、好景気に浮き足立つ企業や庶民を尻目に、日本政府の金融政策はバブル崩壊を招いた。地価の高騰を是正する不動産に関わる様々な法規制や金融機関への行政指導が株価や地価を急激に落とした。

ひしひしと伝わる悪い循環が、少しずつ企業業績を悪化させて行く。平成9年4月、3%だった消費税が5%に増税。11月、山一証券が経営破綻。失われた20年の始まりであった。

平成24年11月、株価は8000円台から9000円台で推移。12月、安倍政権がスタートすると12月の大納会で日経平均株価は1万円台に回復。戦後最長の景気回復が始まる。

本当にトンネルを抜けたのか。新しい技術や概念を提供し将来に繋がるものを見せることが出来るのか。
政府も企業も大きな改革が必要だろう。
(Written by 川下行三 19/04/30)
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