格差社会が拡がる
1.米国の現実
トランプ政権が誕生してから2年。米国では貧富の差が拡大している。そしてこれは、米国に限らず日本でも、他の先進諸国でも見られる。
例えば、米国の大都市圏でホームレスが増加している。アメリカンドリームの象徴のようなニューヨークやサンフランシスコ、シアトルなどで普通に働いているホームレスも存在している。
日本でもネットカフェから出勤する労働者がいるが、その人口は米国の数百分の一にも満たない。常時50万人以上のホームレスがテントや車で寒さを凌いでいるようだ。
2.フランスでの格差
フランスの経済学者、トマ・ピケティが「21世紀の資本」で格差社会を論じてから4年。昨年から始まったマクロン政権に抗議するデモが、今週、10週目に入った。フランスの低所得者層は怒りを露わにする。
抗議デモは、元々、地球環境を配慮してガソリンや軽油にかける税金、いわゆる燃料税の増税を発表してから始まった。マクロン政権になってから富裕層の減税や法人税の減税をやり、庶民には増税を行う。
年明け、デモの収束が見えない中で6ヶ月増税の延期すると政府は方針転換をしたが、その翌日、2019年度中の引き上げを断念。年末には大統領が「燃料税が高いと言うなら電気自動車に乗ればいい」発言は大失態。
貧富の格差を助長している。
3.格差は国力を低下させる
日本で格差はどうなのか。戦後の高度経済成長を経て、1億の国民が中流意識を持ち、中産階級を増やした。バブル崩壊までは全国民が豊になって行く、格差は殆ど語られなかった。
失われた20年が、正規雇用の労働者を減らし、中産階級が無くなった。年収1000万円以上の割合が上位4%。300万円以下が全体の40%と高い。この中にはパートタイマーも含まれるので、この数字だけでは語れない。
しかし、明らかに日本でも格差が拡がっている。これは教育レベルにも影響を与えている。若者に均等な教育の機会と経済的な豊かさを提供することが国家の繁栄を保障する。
(Written by 川下行三 19/01/04)