リーダーシップが問われる No.2
1.トランプ大統領の失策
トランプ政権がつまずき始めた。選挙前から、最大の公約に掲げていた低所得者に恩恵が多い医療保険制度改革「オバマケア」を廃止するとしていた代替案を議会での採決直前に取り下げた。
議会を取りまとめることが出来なかったトランプ大統領。そして次に控える公約、減税を含む税制改革も頓挫する可能性が高い。失策が続くトランプ大統領への批判も高まるだろう。
アメリカ大統領選挙を振り返って見ればわかる。2012年の大統領選挙はオバマ現職大統領×ロムニー氏で行われ大差で再選を果たす。今回の選挙は、クリントン氏がトランプ氏よりも得票数で280万票も上回りながら負けたのは、トランプ人気ではなくクリントン氏の不人気が敗因だ。
2.サイコパスと言う人格障害
反社会的行動をとる人々をサイコパスと呼ぶ。反社会性パーソナリティ障害と言う精神病的な気質を持ち、犯罪者に多い特徴でもあるが、ビジネスでの成功を収めている人も多い。
サイコパスの主な特徴は、他人に極端な冷酷さを持ち、自己中心的で、共感性が無く感情は欠いているが、話術が達者で魅力的な面も持つ。
数多くの結婚・離婚歴が有る、または平気で嘘をつく。
これは正しくトランプ大統領の行動や言動に近い。サイコパスには、大企業経営者や弁護士、政治家、外科医などにも多い。反社会性を持ちながら社会の組織内で上層部にいる。
3.リーダーは社会や歴史の視点を考えよ
サイコパスと思われる歴史上の人物として、一人目に上がるのがドイツを戦争に導いたヒトラーがいる。社交性が高く口達者で、嘘が上手く、頭の回転は早く、責任を持たず衝動的に行動をする。
英国の心理学者でサイコパス研究の第一人者ケヴィン・ダットン博士は歴史的なリーダーを精神鑑定し、そのスコアを発表している。ヒトラーと同等の高得点をトランプ大統領がたたき出している。
博士は、誰もがサイコパス的気質を持ち、その中でも社会的に成功している人達のサイコパス度が高い。危機的な状況や難しい局面でも冷静に判断できる特性をうまく使えば、リーダーとして好ましい結果を得られる。
社会的に影響力のあるリーダーは、自己中心的に短期の結果を求めるのではなく、長期の視点で物事に取り組んで欲しい。
(Written by 川下行三 17/03/28)