2016年のリオデジャネイロオリンピックも当初不安視されていた懸念を吹っ飛ばし、成功のうちに閉会式を迎えた。経済も治安も最低と言われたブラジルでのオリンピック。多くの人に希望を与えた。

特に日本人選手団の活躍を、テレビの前で一喜一憂していたのではないかと思う。女子水泳で金メダルをとった金藤選手。北京五輪から8年もの時間を費やし、努力が報われた。

カヌーで初めてのメダルを取得した羽根田選手。人工コースが有り、有望な選手が多いスロバキアに10年、単身で乗り込み修行を積んだ。経済的な負担は大きいが、それよりもあきらめない精神力が結果を生んだ。

3年前の2013年5月5日、元ヤンキース松井秀喜選手の国民栄誉賞の授与式と引退セレモニが行われた。その時に紹介されたのが「努力できることが才能である」。芸術家、硲伊之助（はざまいのすけ）の言葉だ。

硲伊之助は洋画家であり版画家、そして陶芸家でも有る多彩な才能を持った芸術家で明治・大正・昭和と活躍し、晩年金沢で暮らした。ある記者に「才能とは何か」と質問され、「努力できること」と明確に答えた。

松井の父親が、その言葉が気に入り額に入れて息子達にプレゼントした。
松井は、その額を巨人やヤンキース時代も大事にしていた。彼は、天才タイプでなはく、長島繁雄が練習でコツコツと育て上げた努力の人だ。

メジャーリーグで3000本安打を達成したイチローも努力の人だと言われる。毎日のメニューが有り、それを淡々とこなす。最近の流行で言うとルーティンになるが、それを続けられる人は少ない。

イチローがやっているルーティン、例えば、次打者が控えるネクストサークルでは、ストレッチをやり体をほぐす。外野の守備中も、投球に入る前まででは、ストレッチをし筋肉を伸ばす。

イチローが3000本安打達成時に受けたインタビュー。「ヒットには全て意味があるのでは」記者の質問に、イチローは、「ただバットを振っているだけでは3000本は無理。・・それなりに長い時間、数字を残そうと思えば当然、脳みそを使わなくてはいけない・・・」