ビッグデータで人が動く No.3
1.POSデータもビッグデータ
いよいよビッグデータが大手企業を中心に活用されるようになってきた。
小売業大手では、随分前からビッグデータとは呼ばずとも購買履歴などのPOS(販売時点情報管理)データを加工・分析し利用している。
特に、コンビニエンストアは限られたスペースに3,000品目の商品を陳列し販売している。商品回転率を高めることで利益率が上昇する。売れる商品を効率よく販売し、その補充を随時行う。
ここにビッグデータの活用が必要になる。何が売れて、何が売れていないのか。どんな販促(テレビ広告など)が販売に直結しているのかもリアルタイムに把握出来る。機会ロスを減らし発注を行える。
2.小規模なら人海戦術で可能
某機械部品商社の仕入れ担当者は、毎日朝、出社するとパソコンの画面とにらめっこする。
昨日の売り上げデータを詳細にチェックする。これは基幹データとしての蓄積された画面であって素人は見にくい。
この担当者は、新に投入した仕入れ商品の売れ行きを日々確認し、次の仕入れに活かす。
これでこの商社は大きく売り上げを伸ばした。考え方はビッグデータの活用と同じことだが、人手で対処している。
小規模で有ればビッグデータ活用に頼らずとも、スーパー販売人や営業マン仕入れ担当者で対応が出来る。しかし、大規模に収集した大量なデータから、次の傾向を予測するのは難しい。
3.目的を明確にすべき
ビッグデータの活用は何の為に行われるのか、どんな問題解決をしたいのかが明確で無いと機能しない。先ずは、目的をはっきりさせること。
そして、そのデータはどこに有り、どんな意味を持ったものか。
元データが正確に把握され、それを収集・蓄積する為のデータウエアハウス(倉庫)を設計し、データを取り込む。そして、分析・加工し、表示する。そこから導き出された方針や施策を実行に移し徹底する。
某製造業は、ユーザの工場で活躍する自社の機械にセンサーを取り付け、そのデータを利用し保守運用に活用している。販売時の儲けより保守、メンテナンスの利益が今後増加するだろう。
人が関わる現場では無くともビッグデータ活用の機会は益々増える。
(Written by 川下行三 14/08/07)