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コラム 人と経営

グローバル人材は育つのか No.2

1.英語がグローバル人材に必須か

2012年より英語を社内公用語にしたIT企業。そして、政府はグローバル人材育成計画を目指してTOEFLを小学校で必修化しようとしている。英語圏を除けば、自国で生活をするのに英語を必要としている国は無い。

グローバルビジネスの現場で英語は必要だが、その人材はもっと流ちょうにコミュニケーションを取れないと仕事にならない。某中小企業の工場長が、ロサンゼルスの現地工場責任者で赴任した。

彼曰く「朝礼で訓示を述べる事もままならない。片言の英語では、現地社員に真意が伝わらない」。現場のワーカーはメキシコなど南米から出稼ぎに来ている。こんな英語では多様な人種をマネジメント出来ない。

2.シンクグローバル、コミュニケーションローカル

若手のエコノミスト数人が最近のグローバル化に苦言を述べている。それは、英語はグローバル語として認知されているが、微妙なニュアンスや繊細な表現は日本語の方が優れている。英語を盲目に学ぶ事は無いとも。

日本のエレクトロニクスメーカーが駆逐された隣国のS社。グローバルな展開、特にマーケティングに秀でている。アジアやアフリカに出向する社員は数年間暮らし、現地に根を張り現地語で商売をして行く。

そのS社に引き抜かれた日本人技術者が「いくら英語が必要だと言ってもS社の社内での会話も、酒を飲むときも自国語、そのやりとりが出来ないと馴染めない」。日本と何ら変わらない。

3.本当に必要なのは中国語、韓国語かも

日本に来ている外国人、彼らも日本語をうまく話す。十分コミュニケーションがとれるようにならないと、日本でのビジネスはおぼつかない。ジョークを英語で飛ばしても誰も解らない。

円安効果で日本に訪れる外国人旅行者が増えている。2013年1-11月の累計は949万人とほぼ確実に2013年度1,000万人を超えるだろう。安倍内閣は、2030年には3,000万人を目標とした成長戦略を立てている。

海外旅行に行くと日本語で対応してくれる土産物の商店やレストランには観光客は金を落とす。同様に日本で中国語や韓国語で話せる店員さんが居る店は賑わう。1,000万人の約6割は、韓国、台湾、中国の観光客だ。

英語圏からは約15%と少ない。本当に必要な言語は何なのかを政府は見極めるべきだ。小学校から英語教育を施してもグローバル人材は育たない。
(Written by 川下行三 14/01/07)
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