逃げる人々、戦う世代 No.1
1.世代間の戦い
「ロスジェネの逆襲」。これが今、話題の半沢直樹の第三作目のタイトルになる。テレビは、前作、前々作で今回の放映は終わる。本作の著者は、直木賞作家の池井戸潤氏だ。
彼は1963年生まれ、銀行への就職を果たしたのがバブル景気真っ只中の1988年。半沢直樹シリーズの第一作目、「俺たちバブル入行組」は彼が銀行マン時代の経験が基になっていると思われる。
今、40代で活躍する第一線の世代は、正しくバブル景気に沸く時代に就職をした超売り手市場の学生達だった。そして、バブル崩壊後に就職活動をした就職氷河期のロス・ジェネレーション世代が続く。
2.日本人のこころとは何か
NHK話題の朝ドラ「あまちゃん」が、まもなく終了する。被災地を舞台にはしているが脚本の宮藤官九郎は、努めて明るいムードでドラマが進行している。
9月2日「あまちゃん」が佳境に入った。東日本大震災が北三陸を襲う。
主人公アキが地元に帰り、その惨劇に打ちひしがれている時に、祖母の「夏ばっぱ」は平然と言ってのける。
「誰のせいでもねえ。自然のいいとこばかり利用して、自然の怖ええとこから目背けて、そのうち忘れてまう。それが人間の傲慢さだ」。元来日本人は自然と調和をしてきた。福島は、その事を気づかせてくれる。
3.覚悟を持った世代は戦う
「おらたち家族のおまんま食わせてくれた海が、1回や2回へそ曲げたぐらいで、よそで暮らすべなんて、おら、はなっからそんな気持ちで生きてねえど」。夏ばっぱが地元の声を代弁する。
「ロスジェネの逆襲」で半沢直樹が、後輩にどんな世の中にすればいいかと問われた時に、「正しいことを正しいといえること。世の中の常識と組織の常識を一致させること。」
そして、「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。
その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる」。組織が腐っても、世の中が腐っても俺は戦うと半沢は言い切る。
組織や社会、政治への不満をぶっつけろ。戦えと!!
(Written by 川下行三 13/09/17)