ソーシャル・ネットワーク No.1
1.ジャスミン革命
チュニジアの一人の学生が、昨年末自殺した。失業率が20%を超える同国で無免許の野菜販売をやっていたこの学生は、警察に捕まり手押し車を没収された。市役所に抗議を行ったが相手にされず焼身自殺を図った。
この事件が、チュニジアの今回の革命(ジャスミン革命)の引きがねになる。年が明け1月、ウイキリークスで大統領の腐敗が表沙汰になり、反政府デモが多発。大統領が政権の延命をはかるが民衆の前に力尽きた。
1月14日、大統領は国外に脱出、23年続いた独裁政権は崩壊した。1ヶ月ほどの出来事だった。
この間、フェイスブックの果たした役割は大きい。
高等教育を受けた多くの国民が、難なくSNSを使いこなしている。
2.ソーシャル・ネットワークはエジプトへ
チュニジアの騒動がエジプトに飛び火。1月25日、カイロで数千人が集結する大規模な反政府デモが起きた。このデモの呼びかけにもフェイスブックが使われ、アクティブユーザーが500万人に増加している。
勿論、ツイッターやUSTREAM、Yutubeなどのインターネットメディアが頻繁にこの民主化運動のコミュニケーションツールとして関わっている。
One to Oneのメールから、ソーシャル・ネットワークへと変化している。
映画「ソーシャル・ネットワーク」は10月末の東京国際映画祭のオープニング作品で上映された。フェイスブック創業者や当時のエピソードを客観的に描き、1月15日から全国で公開され好評を博している。
3.家族とのつながり、人のつながり
NHK朝ドラ「てっぱん」が佳境に入ってきた。今回のテーマは家族だ。
主人公が成長する過程で「家族になっていく」、「人とつながっていく」今時少ない下宿を舞台に、家族の絆、人の絆を確認し築いて行く。
数年前、「電車男」と言う小説が人気を得た。ある青年が電子掲示板に書き込む。それをその他大勢の応援団が、その青年を励まし背中を押す。
青年は一歩一歩階段を上る。青年、応援団が一体感を醸成する。
これは一人では無く集団コーチングだ。皆で悩み、皆で解決策を考える。
電車男は、人とのつながりを掲示板に求めた。今は、それがフェイスブックなのかも知れない。
(Written by 川下行三 11/01/31)