クラウドの時代が来るのか No.1
1.マイクロソフトが力を入れる
マイクロソフトの四半期決算の発表があった。過去最高の売上げを計上。
Windows7やオフィス2010の好調さが要因だが、今後、クラウドコンピューティングを伸ばして行くとの明確な戦略を同社幹部が語った。
まだ、クラウドが収益への貢献という意味では、時間がかかるだろう。
しかし、IT業界はこぞって、クラウドコンピューティングと叫ぶ。事業の柱に育てようとしている。
ASPやSaaSと言ってきたサービスも、このクラウドの一部だ。経済産業省が数年前から心血を注ぐが、ベンダーやユーザーも熱心では無かった。しかし、クラウドと呼ばれるようになって、一躍注目を浴びるようになった。
2.クラウドコンピューティングとは
クラウドは正しく「雲」、インターネットを表現している。そこは世界中のネットワークが繋がるだけではなく、様々なソフトウェアやサービスを活用できる。
ユーザーは安価に開発コストをかけずに、短時間で利用できる。セキュリティも確保されている。クラウドコンピューティングを提供する代表企業として、米国のS社が上げられる。
同社は、CRM(顧客情報管理)ソフト最大手。業務ソフトをネットを経由した単独提供からデータセンターを含めたプラットフォームへの提供とレベルアップをはかってきた。
3.クラウドの活用例
経済産業省・総務省・環境省が実施した「エコポイント」。日本のベンダーに開発依頼があったが、短期間では難しいと辞退。S社が受注、3週間で開発を行い1500万人が無事登録を済ませた。
多くのユーザーを抱える企業での利用が進む。製造業、金融、不動産、流通、自治体他業種や業態を問わない。元々グーグルのサービスがこのクラウドを地で行くものだ。
プラットフォーム上でバグがあればすぐさま修正され、それが日本語も含めたすべての環境に瞬時に反映されるなどコスト削減以上のメリットがある。更に、顧客の声を反映し改良が続けられるのがクラウドコンピューティングの強みだ。次号で詳しく述べたい。
(Written by 川下行三 10/08/20)