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コラム 人と経営

維新の夜明けは来るのか

1.新しい龍馬像、岩崎像

NHK大河ドラマ「龍馬伝」の平均視聴率は20%を超えている。福山雅治、香川照之が演じる龍馬、岩崎弥太郎の好演が、視聴率を上げている要因でもあるが、ドラマづくりの斬新さが背景にある。

「龍馬伝」のディレクター大友啓史は、NHKで「ハゲタカ」や「白洲次郎」などを演出した40代。
彼は徹底的に現場やリアリティーにこだわる。舞い上がる砂埃、薄汚れた侍の顔、江戸末期の生活と熱さが伝わる。

大友はインタビューで、「現場でぶつかり合い、自分たちが好きなものをつくって見る人に提示したい。お客さんに合わせてマーケティングでつくったものには、限界がある」と語る。

2.秩序だった街には活気がない

日本の現状を憂う人が多い。街は綺麗。東京の山手線、JRのホームには電車待ちの人々が乱れずに並ぶ。車両に行儀良く座る乗客。秩序が存在する。外国人から見ると日本は治安が良く住みやすいと。

お隣の中国、上海。電車を待つ列は乱れる。交通マナーも悪い。信号無視などは当たり前。
しかし、街には活気がある。歩く人々の顔も明るい。
日本のようなよどんだ空気は無い。

日本の現状を色で例えると、グレー、暗い灰色だ。まるで雲に覆われている。
その隙間に陽がさすのはいつになるのか。

3.文化をつくるには時間がかかる

未だに輸出に頼らざるをえない日本。グローバル化だと言って、海外への展開、アジアでの地位確保に躍起だ。中小企業までが、海外海外と連呼する。本当に国内市場はもう駄目なのか。

内需拡大を叫びながら進まない。新しい産業が興らない。起業が少なく廃業が多い。
次のビジネスを企画する輩が少なく、シリコンバレーのような地域も乏しい。行く先は真っ暗。

日々進歩する。加工技術、生産技術などの製造分野で培った技術は素晴らしい。しかし、世の中がデザインやアイデアなどの数値化出来ない、目に見えない価値にシフトしている。

コツコツ積み上げる文化から、無秩序の創造性を重視する文化へと舵を切らねばならない。
先ずは、ネクタイ族を追放することから始めよう!!
(Written by 川下行三 10/07/31)
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