グローバルで成功する企業 No.1
1.スウェーデン企業の躍進
この3月、銀座、原宿に引き続きファッションアパレルのH&Mが大阪にオープンした。
数千人の行列が出来た。スウェーデンに本社を置くグローバル企業として有名だが、アジアでの出店はまだ少ない。
最新のファッションがリーズナブルな価格で買えるとあって、若者が大挙して押しかけ、ブームを巻き起こしている。同社を扱うニュースは、販売やマーケティングの話題が中心だが、マネジメントもユニークだ。
もう1社、家具のIKEAもスウェーデン企業として、独自の戦略で関東から関西へと商圏を広げ成功している。両社に共通しているのは、グローバルなマーケットで事業を展開し、成果を上げ続けていることだ。
2.H&Mの戦略
H&Mは1947年、スウェーデンの小さな町ヴェステローズで産声を上げた。
今は、37カ国2000店舗以上、73,000人の従業員を雇用する世界一のアパレル企業として、認知され、若者に人気を博している。
「ファッションとクォリティを最良の価格で提供する」がビジネスコンセプト。
ブランドの理念は実にシンプルで、ファッショナブルな商品を安く生産し、品切れをおこさず、適正な価格で販売する。
オーガニックコットンや再生したコットン、ウール、ポリエステルなど新しい環境に優しい素材の開発にこだわる。生産は外部に委託をしているが、その会社の労働条件などにも目を光らせている。
3.日本、米国にはない北欧の強み
IKEAは1943年、アグナリッドと呼ばれるスウェーデンの小さな村でイングヴァル・カンプラード氏が弱冠17才で創業。その後、イケアグループは、世界24の国と地域に約12万8000人の従業員を擁している。
H&M、IKEA両社のマネジメントの特徴として、現場に権限委譲を行っている。
そして、和気藹々と仕事が出来る雰囲気を作り、コミュニケーションも盛んで人間関係は良好だ。
数十年前の日本企業のようだ。
官僚化する組織、誰もが責任をとらない日本型。意志決定は早いが、ルールにうるさく資本家を見ている米国型。チームワークが良く、顧客に向き合い最適なマネジメントを行う北欧型。成長している理由がわかる。
(Written by 川下行三 10/04/08)