政権交代の夏 No.2
1.政策変更が何をもたらすか
鳩山政権が誕生して1ヶ月を経過した。マスコミは首相をはじめ、各大臣の発言を追う。
新たな政策について議論が巻き起こる。今まで常識と思われていた事に疑問が次々と投げかけられる。
ダム建設、高速道路無料化、ハブ空港、日米関係他多くの問題が浮かび上がってくる。
自民党政権が、既得権益を守るべき実施してきた政策にメスが入る。
小泉政権時代に行われた改革に、公共事業の削減がある。それに、建築基準法の改正が追い打ちをかけ、建設土木業者、特に地方の中小事業者に大きな影響が出た。
ここにダム建設の中止が急降下した。
2.中小企業のやるべき方向
過去の栄光を追いかけても寂しいだけだ。高度成長時の戦略をバブル崩壊後も続けた。
自民党政権に変化は無かった。それが、この結果を招いている。地方の疲弊は確実に起こっている。
もう道路は要らない。車は要らない。トヨタが大きな脅威を感じているのはよく解る。
エコを背景に電気自動車が市場として定着するのには、後10年以上はかかるだろう。
地方の中小企業が、やるべき事は政府への補助金や道路、ダム建設の陳情ではない。
世界と商売が出来るチャンスが確実に拡がっている。グローバルな展開を、真剣に考えるべき時だ。今こそ海外に販路を求めろ。
3.次は、ビジョンを示せ
政治の話しに戻ろう。鳩山政権の是非を論じるのは早い。政府の予算要求が出揃った。
税金を何に使うのか、やっと国民の目の前で議論が行われる。大臣も随分若返った。
3年は長いが1年は見守ろう。
否定的な意見を述べても始まらない。二大政党が根付くのに時間がかかる。
英国の例を見ればわかる。政治家が官僚の思うままに動くのではなく、自ら政策研究をして、国民と共に歩む、そんな姿を見たい。
ただ、国家の長期ビジョンは不明確なままだ。国民は自民党政権にはNoを示した。
民主党は、これから日本だけではなく、アジアを視野に入れたビジョンをどう作るかが問われる。期待したい。
(Written by 川下行三 09/10/19)