自然にかえろう No.2
1.環境問題の是非
地球環境を救おう。CO2の削減。クリーンエネルギー。環境にかかわるメッセージが至る所で目につく。商売なのか哲学なのか解らない。日本政府は環境対応車に補助金をつけ、家電にはポイントをつける。
某大学の教授は言う。日本は海に囲まれた国で多少の温暖化が進んでも米国や中国ほどの打撃を受けない。少し暑くなるが生活への影響は微少だと。だから放っておけばいいと言う議論ではない。
ペットボトルのリサイクルに関係する事業をやっていた業者が昨年、破綻した。まだ、世間が注目する前はペットボトルの回収がスムーズに出来たが、今は難しい。最新の焼却炉を持つ自治体は分別をしない。ペットボトルは一般ゴミの対象になる。
2.あるアパレルの挑戦
そのリサイクルしたペットボトルからフリースをつくる某アパレルは、20数年前からこの取り組みを実施している。米国の西海岸に本社を構える同社は、環境問題に真正面からぶつかる数少ない企業だ。
「最高の製品をつくり、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える」これが、同社の存在意義だと宣言している。デザインから製造、物流までのあらゆる過程に目を配る追跡プログラムが機能している。
同社は製造部門を持たず、中国などの協力工場に生産依頼をする。しかし、その工場労働者の賃金や労働条件までに配慮する。また、同社のオーナーは、年間収益の1%以上を世界中の環境保護団体へ寄付することを誓約する企業同盟の創設者でもある。
3.ロハスな生き方
ロハス・LOHAS(Lifestyles of Health and Sustainability)は1990年代の後半にアメリカで生まれた新しいビジネス・コンセプト。健康と環境、持続可能な社会生活を心がける生活スタイルのことを言う。
ロハスは社会学者のポール・レイ氏とシェリー・アンダーソン氏が15年にもわたる調査により、「カルチュアル・クリエイティブズ」と呼ばれる環境や健康への意識が高い人々の存在を確認した。
この人々に対して創りだしたマーケティングコンセプトがロハスである。
米国ではロハスはビジネス用語で日本ではライフスタイルと訳されている。日米により感覚が違うが確実に、環境に対する意識は拡がっている。
(Written by 川下行三 09/07/07)