決断の時 No.1
1.目に見えない不安
米国の金融不安が世界に大きな影響を与えつつある。経済の専門家は、世界同時不況の始まりではないかと暗い予想を述べる。先進諸国の経済は、数年1-3%の僅かな成長を繰り返していた事実が、それを裏付ける。
この春、お膝元のニューヨークでは、楽観的な見通しが体勢を占めていた。サブプライムローンの損失を主要金融機関は出し切ったと。この冬からは再び上昇を始めるだろうと専門家は主張していた。
しかし、予想に反して景気後退は確実なものとなってきた。実態経済にはない危うさを、10数年前に経験してきた米国がまたも失敗を繰り返した。薄っぺらな紙に印刷されたものを頼りにして。
2.この変化は何をもたらすのか
1995年に始まったインターネット革命は、情報が世界を駆け巡るスピードを早めた。そして、誰もが情報を間単に得られ操れるるようになった。
主役は変わった。
この13年の変化を我々は受け入れていないのかも知れない。メールの処理にビジネスマンは1日に数時間をかけている。探し物は検索エンジンで充分。何でも手に入ると錯覚をしてきた。
人と人の直接的なコミュニケーションに要する時間は圧倒的に減っている。自分中心に物事を進めて行く。ネットショッピングに会話は要らない。コンビニでの買い物にコミュニケーションは不要だ。
3.日本人の魂は失われたのか
コンピュータやデジタル化は、全てを電気信号やデジタル処理に置き換えて行く。商取引も電子データとして交換される。十数年前には考えられないことになっている。
魂がその変化について行けない。
みんなと仲良くやる。他人の痛みを分かち合う。助け合いの精神が日本の文化にはあった。
しかし、己のことで精一杯。他人が何をしようと関係ない。政治家、役人、教師、企業経営者を見ればわかる。
30代、40代の人間が事件を起こす。将来に対する不安、世間がイヤになった。死にたかった。
誰かを傷つけたら刑務所に入れる。何と身勝手な意見だと思う。彼らと、我々の境界は殆どない。
あなたに志は有りますか?精神的な支えは有りますか?自問して欲しい。
(Written by 川下行三 08/10/06)