採用と教育を考える No.2
1.人事部社員の想い
人事・採用の人が集まる研究会でのこと。採用のテーマではなかったがある人事担当者が講師に質問をした。「病気で休んでいる社員が、その会社の規程で決めた期間を過ぎても復職できない場合は自動的に退職にしてもいいかと」と。
人事コンサルタントは、法的には問題無いかも知れないが、愛のある対応を。と返した。例えば会社の憲法となる就業規則、その他決め毎を文書化した諸規則。ここに書いてある対応をしておけば人事としは職責を全うしたことになる。
数十人、数百人の従業員を抱える会社の責任は重い。色んな社員がいる。
採用の時に、問題を起こす社員や病気を抱える社員を見分けることが出来たらいいのに。という疑問が湧いてくる。
2.人を見分ける努力
履歴書、職務経歴書、筆記試験、適性検査、心理テスト、面接、研修他様々なことをやるが求職者のありのままの姿は見えてこない。一緒に仕事をしないと解らないことが多すぎる。そして、2年位してやっと、本質が見え隠れする。
見分ける努力をするよりも、先に信頼をして任せてしまう。裏切られてもともとと、ある外食企業の社長は、不良をした人間を採用する。一度失敗をした人は極力採らない会社が殆どの中で異色の経営をする。
この会社は器をわきまえている。会社を急激には大きくしない。少しずつ着実に成長をしてきた。人が育ってから店舗を出す。ゆっくりとしたペースで歩む。人間の成長スピードとはそのようなものだ。
3.二代目経営者の呟き
彼は、若手経営者としてバリバリ活躍している。40代のオシャレな二代目。フォローの風も吹き、二代目になって業績は好調だ。意欲的に新入社員を採用する。
社員の年齢も若返り、社風も一新した。教育にも熱心に取り組む。彼は、「僕が大学卒業まで、親父はかなり教育に金を使ってくれた」。これがあるから、今の僕があると言う。
反対に、社員に金を使ってこなかった。自分の子供には使うが、社員には投資をしない。これでは、いけないと利益の多くを社員教育に投じる。
数年前からの結果が、社員に現れてきた。目が違う、話しが違う。姿勢が違う。3年立てば変化が見える。
(Written by 川下行三 08/04/02)