ネットワーク社会の明と暗
1.ネット依存のビジネス現場
ネットワーク社会は、確実に進化している。インターネットを使わずに仕事が進まなくなった。ビジネスマンは、出社したら先ずパソコンの電源をONにすることから始める。
メールの受発信、作成に多くの時間を費やす。退社時は同じくパソコンの電源を落とす。営業マンは携帯端末を持ち、出先からもメールを打つ。
近くのレストランのメニューでさえ、検索エンジンを活用して探し出す。
2.社会もネットに侵され始めた
話題になった吉田修一氏の「悪人」(朝日新聞社発行)は、出会い系サイトを舞台にした加害者(殺人)と被害者の物語である。これは実話では無いが、よく似た実事件は京都で数年前に起こっている。
全く接点の無かった男女がネットを介して、間単に、直ぐに出会えてしまう。それを不思議に思わずに利用している人々が存在する。これは出会いサイトだけではなく、数百万人が利用する会員制のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)mixiも基本的には同じ理屈である。
リアル(実)な社会よりも、携帯電話やパソコンを経由したコミュニケーション、ネットに繋がっていることで若者は、存在感と安心感を得ている。ネット依存型人間の出現は、社会に警鐘を鳴らす。
3.コミュニケーションを中心としたコンピュータ
計算をベースにしたのが、現在のコンピュータだ。この延長線上に次世代のコンピュータは存在しないとシリコンバレー出身のベンチャーキャピタリストは断言する。
これからの時代は、コミュニケーションを中心としたコンピュータが現れ、もっと身近な道具として、リモコンのように直感的に使えるものへと変身するだろうと。今の携帯端末やi-phone のようなものでは無い。
現在の不便さと便利さの間に根付くネットワーク社会が、どう進化して行くのか、または行くべきかを次号で述べたい。
(Written by 川下行三 07/12/19)