2025年、契機となるのか
1.高齢者の増加は予想より早い
日本の人口は2025年には1億2,254万人(人口問題研究所の推計)になる。2021年8月の政府発表の人口推計によると現在は、1億2,563万人。4年で約300万人減少との予測。2053年には1億人を切る。
問題は、65歳以上の高齢者の人口比率は現在28%、3,500万人と多い。2025年には75歳以上(後期高齢者)だけで17%、1,800万人に及ぶ。昭和22年~24年生まれの団塊の世代800万人が2025年に75歳に達する。
政府は定年延長を進め、就労者を増やそうとしているが介護が必要な人が増加し、介護を支える人材も必要とする。介護保険制度も有るが、利用している社員が少ないのが現状だ。
2.2025年大阪万博の開催
同じ2025年に、55年振りの万国博覧会が大阪で開催される。大阪万博は150の国、25の国際機関の公式参加を目指しているが現在78か国、6国際機関と目標には遠く届いていない。
コロナの影響で開催中のドバイ万博での誘致活動にも影響がでている。企業誘致は在阪の経済団体が推進しているが、まとまりが悪く、企業単体での参加も少ない。
大阪万博の目指すものは、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)が達成される社会と日本の国家戦略Society5.0(新しい社会”超スマート社会”)の実現。テーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」も分かりにくい。
3.世界の人口はどうなる
国連人口基金が2021年4月に発表した「世界人口白書2021」では、2021年の世界人口は78憶7500万人と昨年に比べ8000万人増加した。1998年の世界人口は60億人、2011年に70億人を突破。この10年で約9億人増加した。
2050年に97億人、約30年で約20億人の増加が見込まれている。世界人口の増加がインドやアフリカで、減少して行くのが欧州の一部、バルト3国日本など。韓国、中国も減少に転じるだろう。
日本の人口が減少し、益々GDPは減少を続けるだろう。高齢者が増え働く人は減少を続ける。国内消費の減少は、企業や政府の政策にも影響を与える。今こそ、先を見越して考えてみたい。
(Written by 川下行三 22/01/29)