消費増税で見える価値の本質 No.1
1.マイナス成長が意味するもの
4月1日、17年ぶりに消費税がアップした。大手シンクタンクは軒並み、この4-6月期の経済成長をマイナスで予想した。よって、3月末は直前の駆け込み需要で大幅に売り上げが増えると思われた。
しかし、3月末の需要は高まらず、4月以降もそれほど落ち込むことは無いだろうと多くのマスコミは報道しているが、実態は違う。アベノミクスでは経済が大きく成長するこは期待出来ない。
安い原材料を仕入れて加工、海外へ販売するというモデルは崩れている。
円安→輸出増→貿易黒字のサイクルが回っていない。生活に直撃する消費増税がどんな影響を及ぼすか、政府の判断は甘過ぎる。
2.増税後の価格対応
某大手の喫茶チェーンKを例に検証してみよう。ブレンドコーヒーが3月末までは400円(消費税5%込み)。それが4月以降420円(消費税8%込み)に変更された。8%の計算を厳密にすると、411,4円。
某中堅外食産業Sを同様にやってみると。増税前670円のビーフカレーが増税後、692円に。
こちらも計算すると689,1円。僅かな便乗値上げなのだが、どうもその手口が気に入らない。
大阪の市営地下鉄が、1区間200円の運賃を4月より180円に値下げをした。
他の交通機関は増税分はきっちり転嫁している。この値下げに反応した地下鉄利用者は定期を購入すべく売り場に、長い列をつくっている。
3.増税で何が変わった
この話をすると、原材料が値上がりしているから、しようが無いね。と無頓着に答える男性が多い。主婦感覚から言うとずれていると言わざるを得ない。安易に便乗値上げした店は消費者に見限られるかも知れない。
当然、原材料、人的サービスも含め消費税8%になり仕入れ値は上がる。
その分の転嫁は必要だ。その対応に様々なコストがかかるが、それは、売価に本来転嫁してはいけない。
今、この時期に値下げし価値を高める絶好の機会ではないだろうか。
コストは抜本的に見直しをしないと劇的な変化は望めない。仕入れ先の変更や仕入れ値を下げるのではなく、仕組みを変える。
価格を抑え更なる価値を提供するのが企業の社会的使命だ。
(Written by 川下行三 14/04/08)