構造変化は始まっている No.2
1.世界の人口予測
世界人口白書を作成している国連人口部の発表によると、1998年に世界の人口は60億人、2011年に70億人を超えた。僅か60年前、1950年に25億人だった人口が約3倍に増加した。
日本は人口減少に入っているが世界の人口は増え続け、2050年には90億人を突破すると予測されている。これから40年で20億人増加するが、その殆どは発展途上国(アフリカや南アジア)の人々であろう。
この推測は確実なものでなはく、途上国も次第に豊になり、人口の増加率は鈍って行く。90億人では無く80億人かも知れない。アジアはまだまだ人口増と経済成長を続け、日本は緩やかに下り坂に向かう。
2.減り続ける国内消費
国内消費は人口減と少子高齢化が進み、間違いなく減って行く。高齢者の預貯金をはき出させ消費に回す、そんな政策がまかり通る訳が無い。
何故なら、投票権を持つ一番多い層が高齢者だから。
年金を減らす政治家を支援するだろうか。改革には期待するが、自分の周りで起きる負担増や年金減は嫌う。高齢者が預貯金を持ち、70歳まで働く、若者の給料は上がらず税負担は増える。
日本の一人当たりGDPはアジア諸国に追いつかれる日が来るかも知れない。成長著しい東南アジアでのビジネスを実行するか、これから縮小する国内市場でどう生き残って行くか真剣に考えるべき時がきた。
3.新市場をどう開拓するか
セブンカフェが創った珈琲の新市場。他のドリンクから代替ではなく、新たに500億円の上乗せだ。今、国内でやるべきことは、市場創造だ。
これからの高齢者は戦前の貧しさから豊かさを経験した世代へ交代する。
高齢者向けの弁当の宅配を展開しているワタミ宅食。介護老人ホームから宅食へ進化したワタミ。年間600億円の市場を形成している。数年後、1000億円を目指すが、カロリーに配慮した540円の宅食は少し寂しい。
近くのセブンイレブンの店員が弁当を配達するセブンミール。コンビニから配達に進化したセブンイレブン。明らかに高齢者市場に焦点を絞る。
セブンプレミアムの高品質な商品開発は、弁当にも力を発揮するだろう。
元気な高齢者が大きな市場になって行く。10年後を想像して欲しい。
(Written by 川下行三 14/01/16)