働き方が変わる No.2
1.政府の唱える働き方改革
バブル崩壊後、実質労働賃金は目減りし、豊かさを感じなくなっている。
賃金格差は益々拡がり、中間層が減り続け、デフレ社会を脱皮するべくアベノミクスを実施したが、賃金は上がらず消費は低迷している。
政府が主導する働き方改革は、労働条件の改善の域を出ていない。日本が抱える課題や変化、少子高齢化、グローバル化、AIなどの技術進化。働き方を大きく変えて行く為の議論を深め道筋を立てなければならない。
移民を受け入れていない日本、多様化とはほど遠い職場の現実。平然と行われている長時間労働やサービス残業。現実は厳しい。
2.デフレ社会の現実は厳しい
リーダーシップはリーダーが目標に向かってメンバーを導き、その目標を達成すべきものだと一般的には解釈されている。しかし、現在のように政治や経済環境が目まぐるしく変化している時は、目標やビジョンを描けていない組織も多い。
変革型リーダーシップを唱える米国の研究者コッターは、「変化をつくる」「変革を成し遂げる」がリーダーシップの要だと論じている。そして、リーダーにはビジョンを明確にし、変革を起こそうという強烈なエネルギーが備わっていないと、それを達成して行くことは出来ない。
リーダーシップ研究者のウォーレン・ベニスは、リーダーシップとは人格そのものだ。正直であること、誠実さ、謙虚な姿勢など人間の信頼関係をつくる基礎が備わっていることとしている。対人能力そのものだ。
3.働き方改革の近未来
リクルートが実践している働き方改革では、毎日出社しなくてもよいリモートワーク(在宅勤務)制度に取り組んでいる。「会議」は週に1回後はチャットやテレビ会議を活用しコミュニケーションをはかる。
同社は、2015年4月より「働き方変革推進室」を設置し、働き方を本格的に見直し、「働き方変革プロジェクト」を立ち上げた。試験的にリモートワークを取り入れ、「週に3日以上出社禁止」の条件付けでスタートした。
結果は、働き方を自由にコントロールでき、高揚感や集中力が増す。子育てをしながら、または地域の活動と両立しながら仕事が出来る。通勤の疲労感からも解放されるなど、社員の満足度はきわめて高い。
試行錯誤が続くが、働く空間、時間、仲間が大きく変化して行くだろう。
労働時間や賃金を追い続けているだけでは働き方は変わらない。
(Written by 川下行三 17/02/14)