スマートフォンが経営を変える No.2
1.スマートフォンの現状
10月27日に調査会社のM社が発表したスマートフォンの2011年4-9月の日本国内の出荷台数が1,000万台を超えた。これは、アンドロイド携帯が多数発売されたからだ。
台数でiPhoneが2割を切り、アンドロイド携帯が8割を占めた。この日本のネイチャーフォン(ガラパゴス携帯と呼ばれている旧世代の機種)からスマートフォンへの切り替えの速さは群を抜いている。
スマートフォンは、確かにアップルがグローバル市場を対象に開発した戦略商品では有るが、日本のように若い女性のユーザーを多く獲得している国は皆無だ。ほとんどは先端を走っている一部のエリート達である。
2.日本が世界の牽引役
世界の携帯メーカーは、日本に多くの開発スタッフを張り付けている。
それは、世界で一番スマートフォンが一般ユーザーに普及しているからであろう。
どんなアプリが好まれ、どういう使われ方をしているのか、それをリサーチしている。日本の携帯はiモードでご存じの通り、ネット接続を世界で一番早く行い市場を創った経験が有る。
iモードを開発した夏野さんは、今、ニコニコ動画の役員をし、インターネットの放送局、ニコニコ生放送を立ち上げ、同社の黒字化を成し遂げた。
リアルなビジネスもインターネットの有効な活用無しには進まない。
3.実現しつつあるユビキタスの世界
米国のマーク・ワイザーが1991年に「ユビキタスコンピューティング」の概念を提唱した。
世界中にコンピュータをちりばめることだが、そのコンピュターは今やスマートフォンに内蔵され世界へと接続されている。
日本では、東大の坂村教授が1980年代から、「どこでもコンピュータ」と言う考え方を提唱しているが、ユビキタスを補完した内容である。あらゆる場所であらゆるモノがネットワークにつながることを想定した。
これからの2~3年でフューチャーフォンからスマートフォンに8割以上は切り替わるだろう。
ユビキタスの時代に本格的に突入する。そして、スマートフォンは情報を端末にため込むのでは無くネット上に蓄積する。
スマートフォンはクラウドを前提に作られている。これは、パソコンにも必ず現れる兆候だ。
それを見越した仕組みをそろそろ考える時期だろう。
(Written by 川下行三 11/10/15)