働き方が変わる No.1
1.働き手を増やせるのか
人口減少、高齢化、世界の中で類を見ないスピードで人口構成が変わり働く人々が減少している日本。人口1億人が自国経済の自立性を保つ目安であるが、30年後にはその域を突破しているであろう。
税収が少なくなるのを見越して、政府は様々な制度改革を行っている。
働き手を増やし、年金収入の増加を目指して今年の10月よりパートタイマーの週20時間労働者に厚生年金の負担を課す。
企業は継続雇用制度を利用した高齢者を増やすのか、それとも熟練のパートタイマーに任せて行くのか。正社員へのキャリアアップを目標に厚生労働省は助成金を支給しているが利用率は上がらない。
2.ロボットが働く工場
中小企業の町を歩くと、工場が密集している地域がある。大きな機械、設備が入り、精密な製品を製造している。日本の製造業が作る製品は精度が高く、世界で売れている製品の部品として採用されている。
加工機はほぼ日本製、材料も日本製。それだから、品質を維持出来ると工場長は胸を張る。納入価格は中国製品と比較しても割高だが、自動車や電気製品など品質保証を求められるものには圧倒的に日本製が多い。
工場現場の従業員の士気も高く、品質管理や小集団活動も今なお活発に行われている。一方で、工場内には至る所でロボットが活躍している。
24時間精密な加工を行う。1人雇用を増やすより長期で見ると安価だ。
3.労働時間管理は旧い
製造業の核となる技術が、工場から設計等を行う技術スタッフが常駐するオフィスに。そして、3Dの画面で高度な設計を行い、日本の工場、アジアの工場に指示を出すオペレーションセンターへと変化しつつある。
米国のベンチャーやIT企業が集積するシリコンバレーは、時間を問わず、仕事が出来る環境が整備されている。職住接近、オフィスと自宅は車で約30分位、夕食を自宅でとり、オフィスに戻る。
インド人、アジア人、欧米系の人々。様々な人種が集まりコラボレーションをとる。日本でも増えてきた朝会が、シリコンバレーでは情報交換の場になっている。労働時間で縛る日本型の働き方は旧いのかも知れない。
(Written by 川下行三 16/10/29)