鮮度と感度 No.2
1.混乱状態の政府
官邸の情報収集能力が乏しいことが露呈されている。鮮度も感度も無い。
外交無策もさることながら、各方面から集まらないと行けない情報が官邸に届かない。現政権の致命傷と言わざるを得ない。
民主党に改革を期待した度合いが高い国民ほど落胆が激しい。戦後長らく続いた自民党政権と官僚の癒着に国民は怒りを覚えていた。何とかしてくれるのではないかと言う希望を裏切られた。
折しも、NHKの大河ドラマ、「龍馬伝」の最終放送が終了した。明治新政府樹立2ヶ月前に刺殺にあった龍馬。大政奉還を見届けたが、混乱する武士、町民へのメッセージは届かず。
そして侍の時代が幕を閉じた。
2.民主主義が根付くまで
1868年(慶応4年)、明治政府が誕生したが、明治20年位までは混沌としている。1889年(明治22年)、納税した男子のみに与えた選挙により、第一回の帝国議会が開催された。
何と女性に参政権が与えられたのは戦後、1945年であった。
米国では、1865年南北戦争終了後、憲法にて奴隷制度廃止や公民権の付与、黒人男性への参政権が認められたが、実際には1964年の公民権法の成立により法律上の人種差別が無くなった。
絶対王政や中央集権国家から民主政治、民主主義国家への道のりは険しい。国家のリーダーが果たした役割は大きい。奴隷解放宣言を発したリンカーン。公民権運動を支援したケネディやジョンソン。
3.リーダーに求められる鮮度と感度
鮮度ある情報を収集する能力と敏感な感度をリーダーには身に付けて欲しい。今、必要とされているものは何なのか。ユーザーが求めているもの。社員が欲しているもの、社会が要求しているものを気づくべきだ。
中小食品メーカーM社。20数年前に三代目社長として就任。主婦から経営者に転身したKさん。経営の素人が、ヨチヨチ歩きながら16年目に業務改革を主導。売上げ不振はなく順調だったが、そこに危機感を感じた。
そして、10年。業務改革が成功し、再び成長路線に戻った。その原点は社長の気づきだ。
コンピュータの情報データから仮説を組み立てるセブン&アイの鈴木会長。内には何も無いが、外にはビジネスチャンスが転がっていると、ドラッカーは述べている。
(Written by 川下行三 10/11/15)