関西(大阪・京都・神戸)の中高年・シニア・高齢者の人材派遣会社

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コラム 人と経営

社会に生かされる No.2

1.小規模企業の挑戦

40代の若者が果敢に挑戦している。地域に無くなりつつある小売店。
八百屋、魚屋、肉屋、酒屋、豆腐屋、金物屋etc。コンビニに変わり、営業を続けるところもあるが、のれんを降ろしたところも多い。

スーパーに顧客を奪われ、仕方なくショッピングセンターの中へと移転。
細々と商売を行ってきたが、跡継ぎがいない。息子はサラリーマンで店を継ぐ意志はない。
これが、街の小売店が姿を消す理由。

酒屋の三代目、U氏は孤軍奮闘、脱サラして家業を継いだ。そこから常識を一つ一つ打ち破り、今では地域、またはネットで注目をされる存在になった。

2.先ず店の改革を

彼が継いだ10年前、店は潰れかけていた。その昔数十年前、活気がみなぎっていた商店街はシャッター街に。そして、アーケードは無くなり、普通の住宅街に、その中にポツンとある酒屋。

年々顧客が減り続けていた。近くのスーパーやディスカウント店では大量販売の安売り合戦。
唯一、店の前の自動販売機だけが小銭を稼いでいた。彼は自販機を撤去、次にビールを店内から片付け、店を改装。

地方の酒蔵を巡り、良質で珍しい日本酒を仕入れた。少しずつ、変化が目に見え始めた。
値段では無い価値を顧客が感じている。そして、別会社を興し楽天に出店。
部門別で2年連続の表彰を受けた。

自社の倉庫の一部を改造し、従業員が酒を楽しめるスペースを作り、開放している。
従業員満足が顧客満足に繋がることを彼は知っていた。

3.社会に役立つ企業には夢がある

「お酒のある豊かなライフスタイルを提案し、小さなお店の事例になる」がU氏の経営する酒屋の理念。パートタイマーも含め15名ほどの所帯になった。

彼は地方の酒蔵にも様々な提案をする。酒蔵も中小零細企業が中心だ。
日本酒のユーザーはそれ程増えていない。長期低落の中で、資金繰りが厳しい。
秋口から仕込み、春に新酒が出る。回収期間は長い。

酒蔵に梅酒の生産を進める。色とりどりの梅酒が冬から春にかけて出まわる。
居酒屋のメニューに梅酒は欠かせない一品になった。そして、梅酒の認知度を上げる大きなイベントも成功させた。

夢は叶えられるものだと、この小さな企業は示してくれている。
(Written by 川下行三 10/03/25)
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