山と谷を楽しむ No.1
1.チーズはどこへ消えた
スペンサージョンソンが書いた「チーズはどこへ消えた?」は、大きな反響を呼んだ。
変化に早く気づき、行動を起こすことを説いた。同書が発行された9年前、日本経済はバブル崩壊から立ち直り、少しずつ坂道を上り始めていた。
そして、昨年から今年にかけて再び急な坂道を転げ落ちた。この変化の兆候は、2年前に現れていたとマクロ経済学者は指摘する。既にチーズのありかは他に移っていたと。
今回のリーマンショックの影響の大きさに、どれだけの人がいち早く気づいたのか。
今3月期の決算で大赤字を計上した大企業はどこも対応に遅れた。この谷はどこまで続くのか。誰も答えられない。
2.頂きはどこにある
谷の対処も難しいが、頂きに留まることはもっと困難をともなう。スペンサージョンソンが「頂はどこにある?」という書をこの9月に発行した。事実、真実を見ることだと。勝手な想像や恐れを抱く必要は無い。
心の持ち方一つで幸せにも不幸せにもなる。真実はどのように見ようとも変わらない。
今、谷にいるのか、頂きにいるのか。もし、谷にいるなら頂上に登り、それを維持して行く準備を始めよと。
谷には、全く明かりが無いのか?いや、必ず何か良いところがある。そこに目を向けよ。
そして、明確で具体的なビジョンを描き、努力をする。
良い方向に回るだろう。それが摂理だ。
3.始めよう
簡単なことから始めよう。あなたが、今、谷なら。谷にいることを感謝する。
どん底だからこそ見えることがある。何が原因で谷にいるのか、そして、反対のことから始めよう。
あなたが、頂上にいるなら。何が原因で頂上にいるのか。あなたの努力なのか、それとも状況が良いからなのか。留まるには何をすべきなのか。
また、谷への準備も始めよう。
結果が全てだ。ビジネスの世界ではそう評価する。しかし、その結果の多くは偶然のものが多い。成功した時こそ謙虚になろう。マスコミの情報に一喜一憂することは無い。
顧客のため、世の人のためになることから始めよう。一歩ずつ。
(Written by 川下行三 09/12/08)