新しい働き方の提案
1.コクヨの実験オフィス
品川にあるコクヨエコライブオフィスは「エコ+クリエイティブ」がコンセプトにある新しい働き方の提案をしている。創造性や生産性に環境意識をプラスした一歩先を行った試みになっている。
コクヨのオフィス提案は古く、フリーアドレスをいち早く採用し固定的な机、椅子から開放し成果を上げてきた。フリーアドレスとは、社員の座席を固定せずに毎日好きな場所に座って仕事をするスタイル。
コクヨの営業マンは、朝出社すると空いている机を見つけ、自分のロッカーから資料を持ち出し、ノートパソコンを広げ仕事をする。東京のオフィスは毎朝、コンピュータで席を割り当てる。
品川はそれにプラス、エコ意識を高めるねらいから、建物の外、ガーデンで仕事をしたり、年間のCO2排出量を41,5%削減を目標にしている。
2.はてなの働き方
インターネットビジネスで特異な存在を築いている「はてな」もフリーアドレス制を導入している。
前日と同じ場所に座ってはいけないというルールを作り、席が固定化しないようにしている。
社内コミュニケーションの相手が固定化しない。情報がどこか特定の場所に片寄ったり、派閥のようなものもできにくい。そして、何よりもオフィスがきれいと社長は言う。
自分のやるべき仕事は埋もれた資料にはない。机には何も無い。今日のやるべき仕事に意識を向けられる。仕事の目的がはっきりとするという利点がある。
3.フリーアドレス採用の前に
フリーアドレスの良さを強調したが、某オフィス環境の提案をしている社長は、反対意見を述べる。日本人の仕事の仕方は、まとまった場の中で情報共有されて、隣が何をしているかを把握出来る。
毎日、コミュニケーションの相手が変わるメリットも理解出来るが、例えば、課のメンバーで打ち合わせや会議を招集するのに時間がかかる上、決まった仕事のない新人達には荷が重い。
このフリーアドレスを実行する前に、社内のどこからでもアクセス出来るデータベースが稼働しており、社長自らがこの制度を実践する意志を明確にし社内をリードする必要がある。
(Written by 川下行三 09/09/28)