不況だからこそチャンスがある No.2
1.最適生産地を求める競争
シンクグローバル・アクトローカルと言うフレーズが一時持てはやされた。思考は世界的な視野を巡らし、行動は地域密着する。原材料や労働コストを引き下げる、その為には国境を越える。
一番コストの安いところで生産を行い、付加価値の高い場所で販売する。
これが、最適な工業モデルとなった。今では、生鮮食品でさえ同様のビジネスモデルをとる。
例えば、某家電メーカーのS社は○○モデルのような国内組み立てのブランドを武器にしてきたが、今回の不況でその生産を止め、海外に移転すると言う。メイドインジャパンで無くなった。
2.日本の北や南の世界では
北海道や九州のとある地域で元気な企業がある。大都市圏が近隣市場にある訳でも無い。
田舎の人々と真摯に対応する。地道な商いを貫く。地元の産品を扱い、地元の人々に提供する。グローバルな展開とは違う。
いくら成功しても、本州へ進出しようとは考えないと某菓子メーカー創業者は語る。地産地消を実践する。豊かな水とあんこは菓子の全て。この地だから作ることが出来る。
おじいちゃんやおばあちゃんを虜にしているスーパーがある。高齢化した田舎の人々にリピートして頂くしか商売が成り立たないことを良く知っている。徹底的にニーズをひろう。
3.旭川の地に
北海道の真ん中、大雪山のふもとに広がる平野、旭川。
小樽や函館などのような観光地でもない。有名なのはラーメン。そこが、今や全国から引っ切り無しに観光客が訪れる。旭山動物園のお陰だ。
旭山動物園はマスコミで多く語られている。中央ゲート前、冬の平日でも開園待ちの行列が出来る。園内に、動物達を紹介する手書きの説明プレートが温もりを感じさせる。
動物園から近くの道の駅、ボランティア募集の張り紙。動物園の飼育係、交通費自己負担。
旭川市民が盛り上げる。入場料800円、年間パスポート1,000円は値打ちがある。
これこそが正しく地産地消だ。
(Written by 川下行三 09/03/17)